ぎっくり腰は、適切な応急処置とケアで早期回復が可能です。
この記事では、痛みを和らげる応急処置、根本的な改善を目指すリハビリ、日常生活での予防策を解説します。
つらいぎっくり腰から解放され、快適な毎日を取り戻しましょう。
この記事でわかること
- 冷やす・温めるタイミングと市販薬や湿布の選び方
- 痛みが和らいできたら始めるリハビリとストレッチ
- ぎっくり腰を繰り返さないための日常生活での予防策
ぎっくり腰の基礎知識

ぎっくり腰は、突然の激しい腰の痛みで動けなくなる状態を指し、重い物を持ち上げたり、体をひねったりする際に起こりやすい症状です。
ぎっくり腰とは?
ぎっくり腰とは急激な腰の痛みを伴う状態で、正式には「急性腰痛症」と呼ばれます。
まるで腰に電気が走ったような衝撃が走ることから、海外では「魔女の一撃」とも呼ばれます。
原因は様々ですが、腰の筋肉や靭帯、椎間板などが損傷することで起こると考えられています。
レントゲン検査では異常が見つからないことも少なくありません。
ぎっくり腰の原因
ぎっくり腰の原因は一つではなく、いくつかの要因が複合的に重なって起こることがあります。
主な原因として、以下の3つが挙げられます。
主な原因 | |
---|---|
筋肉や靭帯の損傷 | 重い物を持ち上げたり、急な動作をしたりすることで、腰の筋肉や靭帯が損傷することによる |
椎間板の損傷 | 椎間板に負担がかかり、繊維輪が傷ついたり、髄核が飛び出したりすることによる |
関節の捻挫 | 腰椎や仙腸関節が捻挫し、炎症を起こすことによる |
これらの原因に加え、疲労の蓄積や姿勢の悪さ、運動不足、ストレスもぎっくり腰を引き起こす要因となります。
ぎっくり腰の一般的な症状
ぎっくり腰の主な症状は、腰の激しい痛みです。
体を動かそうとしたり、咳やくしゃみをしたりする際に痛みが増すことがあります。
他にも、以下のような症状が見られます。
ぎっくり腰の主な症状 | |
---|---|
腰の筋肉の痙攣 | 痛みのために腰の筋肉が緊張し、痙攣することがある |
姿勢の変化 | 痛みを避けるために、不自然な姿勢をとってしまうことがある |
可動域の制限 | 腰の動きが制限され、前かがみや体をひねるのが難しくなる |
脚への放散痛 | 坐骨神経痛のような、脚への痛みや痺れを感じることがある |
これらの症状は、ぎっくり腰の程度や原因によって異なります。
症状が重い場合は、早めに医療機関を受診することが重要です。
痛みを和らげるための応急処置
ぎっくり腰による痛みを和らげるためには、適切な応急処置が重要になります。
楽な姿勢を見つける
ぎっくり腰になったら、まずは安静にして、楽な姿勢を見つけることが大切です。
横向きで寝るとき | 膝を曲げてエビのように丸まることで、腰への負担を軽減できます。 |
座るとき | クッションなどを利用して、腰への負担を軽減します。 |
楽な姿勢で安静にすることで、筋肉や関節への負担を減らし、痛みを和らげることができます。
冷やす? 温める? 状況に合わせた対処法
ぎっくり腰の応急処置として、冷やすか温めるかは、痛みの状態によって異なります。
状態 | 対処法 | 方法 | 時間 |
---|---|---|---|
発症直後で炎症が強い場合 | 冷やす | 氷嚢や保冷剤をタオルで包み、患部に当てる | 15〜20分程度 |
痛みが慢性化している場合 | 温める | 蒸しタオルやカイロなどで患部を温める | 気持ちが良い程度 |
発症直後の炎症が強い場合は、冷やすと炎症を抑え、痛みを和らげる効果が期待できます。
慢性的な痛みには、温めると血行を促進し、筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。
市販薬や湿布を使用する

ぎっくり腰の痛みを和らげるために、市販薬や湿布も有効です。
種類 | 商品名 | 効果 | 特徴 |
---|---|---|---|
内服薬 | ロキソニンS | 痛み、炎症を抑える | 眠くなりにくい |
内服薬 | イブA錠 | 痛み、炎症を抑える | 生理痛にも効果的 |
外用薬 | ボルタレン | 痛み、炎症を抑える | 経皮吸収型 |
外用薬 | モーラス | 痛み、炎症を抑える | 経皮吸収型 |
内服薬は、痛みを直接抑える効果が期待できます。
外用薬は、患部に直接作用し、炎症を抑える効果が期待できます。
薬剤師や登録販売者に相談し、症状に合った適切な薬を選びましょう。
早期回復を促すリハビリとストレッチ
ぎっくり腰からの早期回復には、適切なリハビリとストレッチが欠かせません。
痛みが和らいできたら、無理のない範囲で体を動かし始めましょう。
痛みが和らいだらリハビリを始める
痛みが少し和らいできたら、リハビリを開始するサインです。
ただし、無理は禁物です。痛みを悪化させないように慎重に行う必要があります。
リハビリの目標は日常生活へのスムーズな復帰なので、焦らず自分のペースで進めていきましょう。
急性期(発症から2日) | 安静にする、痛む部分を冷やす、コルセットで腰をサポート、鎮痛剤を服用 |
亜急性期(3日目から6日目) | 徐々に体を動かす、痛みに合わせて活動量を調整 |
慢性期(7日目以降) | 積極的にストレッチ、筋力トレーニングを行う、コルセットに頼りすぎない |
おすすめストレッチ&体操
ぎっくり腰の症状や回復段階に合わせて、ストレッチと体操を選択することが大切です。
症状が落ち着いてきたら、「ぎっくり腰体操」や「寝たまま腰伸ばしストレッチ」、「ドローイング」などを試してみましょう。
これらの運動は、血流を促進し、筋肉の柔軟性を高める効果が期待できます。
おすすめのストレッチ&体操 | 方法 | ポイント |
---|---|---|
ぎっくり腰体操 | ①うつ伏せで深呼吸(3分)②胸の下にクッションを入れ深呼吸(3分)③肘から下を床につけ深呼吸(3分)④腕の力でゆっくり腰を反らし5-10秒キープし、10回繰り返す⑤可能な範囲で腰を反らし5-10秒キープ | 無理のない範囲で行う |
寝たまま腰伸ばしストレッチ | ①仰向けで膝を立てる②両手で膝を抱え胸に近づける③6秒間深呼吸④元に戻す(3回) | 呼吸を止めない |
ドローイング | ①仰向けで膝を立てる②軽く顎を引き背骨を伸ばす③鼻から吸って口から吐く④吐くときにおへそを背中側に引き込み、胸の方へ持ち上げる⑤吸う時にお腹を膨らませないように胸で呼吸(10回) | お腹を膨らませないように注意する |
コルセットの使用も有効
コルセットは、ぎっくり腰の痛みを緩和し、腰をサポートするのに役立ちます。
しかし、長期間の使用は筋力低下を招く可能性があるため、痛みが強い時期に限定して使用することが重要です。
コルセットを使用する際は、正しい装着方法を守り、締めすぎに注意しましょう。
コルセットの種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
ハードタイプ | サポート力が高い | 動きを制限する |
ソフトタイプ | 動きやすい | サポート力が低い |
ぎっくり腰からの回復を早めるためには、状態に合わせたリハビリとストレッチが大切です。
コルセットも適切に使用すると、痛みを和らげ、早期回復をサポートします。
繰り返さないために 日常生活での予防策
ぎっくり腰は一度経験すると、再発しやすいのが特徴です。
日常生活でのちょっとした工夫で、ぎっくり腰を予防できる可能性があります。
ここでは、日頃からできる予防策を紹介します。
ぎっくり腰にならない座り方・寝方
長時間同じ姿勢での作業は、腰に大きな負担をかけます。
デスクワークをする際は、背もたれにしっかりと背をつけ、腰が丸まらないように注意しましょう。
具体的には、椅子の高さを調整し、膝が90度に曲がるようにすると、腰への負担が軽減されます。
さらに、時々立ち上がってストレッチをしたり、軽く歩き回ったりすることも効果的です。
寝る時は仰向けで寝る場合は膝の下にクッションを、横向きで寝る場合は抱き枕を使用すると腰への負担を軽減できます。
重い物を持つ時のコツ
重い物を持ち上げる際は、腰を曲げずに膝を曲げ、できるだけ体に近づけて持つことで、腰への負担を軽減することができます。
持ち上げる前の準備 | 足を肩幅に開き、持つものをできるだけ体に近づける |
持ち上げる際の姿勢 | 膝を曲げて腰を落とし、背筋を伸ばしたまま持ち上げる |
持ち上げた後の姿勢 | 持ち上げたものを体に近づけ、重心を安定させる |
その他 | 可能な限り、重いものを一人で持ち上げない。台車やキャスター付きの荷物置きを使用する |
重い荷物を運ぶ際は、一度に運ぼうとせずに、何度かに分けて運ぶのもおすすめです。
整体や鍼灸でぎっくり腰を予防する
ぎっくり腰を繰り返す方や、慢性的な腰痛に悩んでいる方は、整体や鍼灸などの専門家による施術も検討してみましょう。
整体では、身体の歪みを整え、筋肉のバランスを調整することで、腰への負担を軽減します。
鍼灸では、痛みを和らげるだけでなく、自己治癒力を高める効果が期待できます。

まとめ
ぎっくり腰は、適切な応急処置とケアで早期回復が可能です。
この記事では、痛みを和らげる応急処置から、再発予防のための日常生活での注意点、専門家による施術まで、具体的な方法を解説しました。
この記事のポイント
- ぎっくり腰になった際の応急処置
- 冷やす・温めるタイミングと市販薬や湿布の選び方
- 痛みが和らいできたら始めるリハビリとストレッチ
- ぎっくり腰を繰り返さないための日常生活での予防策
つらいぎっくり腰から解放され、快適な毎日を取り戻すために、まずはできることから始めてみましょう。