ぎっくり腰は、その激しい腰の痛みのために、日常生活に支障をきたすことがあります。
この記事では、ぎっくり腰の回復までの期間や症状別の対処法、再発予防について解説します。
この記事でわかること
- ぎっくり腰からの回復までの期間
- 症状別の適切な対処法(安静、コルセット、温め方・冷やし方)
- ぎっくり腰の原因と予防策
- 病院を受診する目安と治療法
ぎっくり腰|回復までの目安は?
ぎっくり腰は、重い物を持ち上げたり、急な動作をした際に起こる急性の腰痛で、正式名称は急性腰痛症と呼ばれています。
ぎっくり腰の原因
ぎっくり腰の原因としては、筋肉や靭帯の損傷、炎症、筋肉の疲労、骨格の歪み、急な負荷など考えられます。
ぎっくり腰の原因 | |
---|---|
筋肉の疲労 | 睡眠不足、栄養バランスの偏り、運動不足、長時間の座りっぱなしなどによる筋肉疲労の蓄積 |
骨格の歪み | 長時間同じ姿勢でいることによる身体の柔軟性の低下、骨盤の歪み、身体のバランスの崩れ |
突然の過負荷 | 重い物を急に持ち上げるなど、腰に大きな負荷がかかること |
ぎっくり腰の一般的な回復期間

ぎっくり腰の一般的な回復期間は、数日から1週間程度です。
安静にしていれば2~3日で痛みが和らぐことが多いようですが、症状が完全に落ち着くまでには1か月程度かかる場合もあります。
ぎっくり腰は再発しやすいので、一度経験された方は注意が必要です。
繰り返さないように日ごろから気を付けて生活を送ることが大切です。
ぎっくり腰の症状と対処法
ぎっくり腰は突然腰に激しい痛みが走る症状で、正式には急性腰痛症と呼ばれます。
重い物を持ち上げたり、体をひねったりする際に起こりやすいです。
痛みの程度で対処方法は変わる
ぎっくり腰になった場合、その痛みの程度によって対処法は異なり、激しい痛みで動けない場合は、無理に動かず楽な姿勢で安静にすることが重要です。
少し動ける程度の痛みであれば、日常生活に支障がない範囲で動くようにしましょう。
痛みの程度 | 対処方法 |
---|---|
激しい痛み | 楽な姿勢で安静にする: 無理に動かず、痛みが和らぐまで待ちましょう。 |
少し動ける程度 | 日常生活に支障がない範囲で動く: 同じ姿勢を長時間続けないように注意が必要です。 |
痛みが和らいだ時 | 医療機関を受診する: 痛みが改善しない場合や、痺れがある場合は専門医に相談しましょう。 |
回復期 | ストレッチや軽い運動を取り入れる: 再発予防のために、腰回りの筋肉をほぐしましょう。 |
痛みが強い場合は、整形外科などの医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
安静にする際のポイント
安静にする際は、仰向けで膝を立てるか、横向きで丸くなる姿勢がおすすめです。
これにより、腰への負担を軽減できます。
安静にする際のポイント | |
---|---|
おすすめの姿勢1:仰向けで膝を立てる | 腰への負担を軽減するため、膝の下にクッションを置くと良いでしょう。 |
おすすめの姿勢2:横向きで丸くなる | エビのように丸まり、抱き枕を使うとさらに楽になります。 |
布団やベッドはどんなものが良いか? | 硬すぎず、柔らかすぎないものを選びましょう。 |
安静にする期間は? | 安静にするのは2~3日程度。長期間の安静は、筋力低下を招く可能性があるため、痛みが和らいできたら徐々に動き出すようにしましょう。 |
注意点 | 痛みを我慢して動くと症状が悪化する恐れがあるため、無理に動かさないようにしましょう。 |
安静時も適切な姿勢を保つことで、回復を早めることが可能です。
コルセットや湿布で痛みを軽減させる
コルセットは腰をサポートし、痛みを軽減する効果がありますが、長期間の使用は筋力低下を招く可能性があります。
湿布は、炎症を抑え、痛みを和らげる効果が期待できます。
アイテム | 効果 | 使用方法 | 注意点 |
---|---|---|---|
コルセット | 腰のサポートに有効。腰椎を安定させ、痛みを軽減します。 | きつすぎると血行が悪くなり、ゆるすぎると効果がありません。適切なサイズを選ぶようにしましょう。 | 筋力低下を防ぐため、長時間の仕様は避け、必要な時のみ使用しましょう。 |
湿布 | 炎症を抑え、痛みを和らげます。 | 入浴後など、肌が清潔な状態で貼りましょう。 | かぶれに注意し、肌に合わない場合は使用を中止しましょう。 |
温めるか冷やすかの判断基準

ぎっくり腰の直後は炎症を抑えるために冷やし、痛みが和らいできたら血行を促進するために温めるのが基本です。
状態 | 温めるか冷やすか | 理由 | 方法 |
---|---|---|---|
発症直後 | 冷やす | 炎症を抑える: 炎症による痛みを軽減します。 | 冷湿布や保冷剤を使用し、15~20分程度冷やして様子を見ましょう。 |
痛みが和らいできた | 温める | 血行を促進させることで、筋肉の緊張を和らげ、回復を促します。 | 蒸しタオルや温湿布を使用します。40℃程度の温度で、20分程度温めましょう。 |
痛みの状態に合わせて温めるか冷やすか判断することで、より効果的な対処が可能です。
ぎっくり腰を引き起こす要因と予防策
ぎっくり腰は、何気ない動作や姿勢が引き金となる場合があります。
原因を理解し、日頃から予防を心がけることが大切です。
ぎっくり腰を引き起こす要因
ぎっくり腰は、単一の原因で起こるのではなく、いくつかの要因が重なって発症することが多いです。
要因 | |
---|---|
筋肉の疲労 | 睡眠不足や栄養バランスの偏り、運動不足、長時間の座りっぱなしなどによる蓄積 |
骨格の歪み | 長時間同じ姿勢でいることによる身体の柔軟性低下と骨盤の歪み |
突然の過負荷 | 重い物を急に持ち上げるなど、腰に大きな負荷がかかること |
その他の要因 | ストレスや疲労の蓄積 |
正しい姿勢を意識することで予防する
日常生活での姿勢は、腰への負担を大きく左右します。
正しい姿勢を意識し、腰への負担を軽減することが重要です。
- 立っている時:背筋を伸ばし、お腹を軽く引き締める
- 座っている時:深く腰掛け、背もたれを活用する
- 物を持ち上げる時:腰を曲げずに膝を曲げ、物を体に近い位置で持つ
- 寝る時:仰向けで膝の下にクッションを置く、横向きで丸まって寝る
ストレッチと運動で予防する
ぎっくり腰の予防には、腰回りの筋肉を柔軟にするストレッチや、体幹を鍛える運動が効果的です。
おすすめストレッチ&運動 | 方法 | 注意点 |
---|---|---|
猫背改善ストレッチ | 両手を前に伸ばし、背中を丸めるようにストレッチ。次に、両手を後ろに組み、胸を広げるようにストレッチ。 | 無理のない範囲で行う |
体幹トレーニング | プランク、ドローインなど、体幹を意識した運動を行う。 | 呼吸を止めない、正しいフォームで行う |
ウォーキング | 姿勢を正して歩く。 | 無理のない距離から始める |
その他 | ヨガやピラティスも効果的 | 専門家の指導のもとで行う |
コルセットを使用して予防する
適切なコルセットを使用することで、腰への負担を軽減し、再発を予防することが可能です。
製品カテゴリ | 特徴 |
---|---|
コルセット | 腰を安定させ、正しい姿勢をサポート |
サポーター | 関節や筋肉を保護し、痛みを緩和 |
骨盤ベルト | 骨盤を安定させ、腰への負担を軽減 |
姿勢矯正ベルト | 姿勢を矯正し、腰痛を予防 |
再発予防のために意識したいこと
ぎっくり腰は再発しやすい症状です。
再発予防には、日々のケアと生活習慣を見直しましょう。
- 正しい姿勢の維持:立っている時も座っている時も、常に正しい姿勢を心がける
- 適度な運動:ウォーキングやストレッチなど、軽い運動を習慣にする
- 体重管理:肥満は腰への負担を大きくするため、適切な体重を維持する
- ストレス管理:ストレスは筋肉を緊張させるため、自分なりのストレス解消法を見つける
- 睡眠環境の整備:質の高い睡眠は疲労回復に不可欠
- コルセットの適切な使用:コルセットは腰をサポートするが、常用は筋力低下を招くため、必要な時に限定する
- 専門家への相談:症状が改善しない場合は、整形外科や整体院などの専門家に相談する
ぎっくり腰で病院を受診する目安と治療法
ぎっくり腰で病院を受診する目安と、病院での治療法について説明します。
病院を受診する際の判断基準

ぎっくり腰の痛みは通常、数日から1週間程度で改善に向かいますが、痛みが引かない場合や悪化する場合は、受診を検討する必要があります。
具体的には、以下の状態が見られる場合は医療機関を受診しましょう。
状態 | 考えられる原因 |
---|---|
痛みが2週間以上続く | ぎっくり腰以外の原因が考えられます。 |
安静にしていても痛みが改善しない | 椎間板ヘルニアなどの可能性も考慮されます。 |
足や腰に痺れがある | 神経が圧迫されている可能性があります。 |
排尿・排便に異常がある | 馬尾症候群の疑いがあります。 |
発熱がある | 感染症の可能性があります。 |
どの医療機関を受診すべきか(整形外科、整体院など)
ぎっくり腰の症状や状態によって、適切な医療機関は異なります。
症状 | 受診する医療機関 | 特徴 |
---|---|---|
痛みが強い場合、足腰に痺れがある場合、他の病気が疑われる場合 | 整形外科 | レントゲンやMRIなどの画像検査が可能。薬物療法やリハビリテーションなどの治療を受けることができます。 |
慢性的な腰痛、姿勢の歪みが気になる場合 | 整体院・整骨院 | 手技療法で筋肉や骨格のバランスを整えることを目的としています。 |
痛みを和らげたい場合 | 鍼灸院 | 鍼やお灸で血行を促進し、痛みを和らげることを目的としています。 |
病院での一般的な治療法(薬物療法、リハビリなど)
病院では、ぎっくり腰の状態に合わせて様々な治療法が選択されます。
一般的な治療法は以下の通りです。
治療法 | 特徴 |
---|---|
薬物療法 | 湿布や痛み止め(非ステロイド性抗炎症薬: NSAIDs)などを使用し、痛みや炎症を抑えます。 |
運動療法 | 痛みが落ち着いてきたら、ストレッチなどの軽い運動から始め、徐々に負荷を上げていきます。 |
物理療法 | 温熱療法:患部を温めて血流を促進し、痛みを和らげます。冷却療法: 患部を冷やして炎症を抑制し、痛みを和らげます。 電気療法:筋肉を収縮させて血行を促進し、痛みを緩和します。 |
装具療法 | コルセットやサポーターを使用し、腰部の負担を軽減し、姿勢を矯正します。 |
病院では、これらの治療法を組み合わせることで、ぎっくり腰の症状を効果的に改善します。
まとめ
ぎっくり腰は突然の激しい腰の痛みで、日常生活に支障をきたす可能性があります。
この記事では、ぎっくり腰の期間や症状別の対処法、原因と予防、さらに病院での治療について解説しました。
この記事のポイント
- 回復までの期間:一般的には数日から1週間程度で、完全に落ち着くまでには1ヶ月程度かかる場合もある
- 対処法:痛みの程度に応じて安静にする、コルセットや湿布の使用、温める/冷やすなどの方法を適切に選択
- 予防策:日常生活での正しい姿勢、適度なストレッチや運動、ストレス管理などが重要
ぎっくり腰の症状が改善しない場合は、整形外科などの専門家への相談を検討しましょう。
早期の診断と適切な治療が、早期回復への近道です。