ぎっくり腰は労災になるかどうか

労災とは、会社での業務中、その業務を起因とするケガや病気になることを言います。
さてここで、ぎっくり腰が労災になるかどうか、考えてみます。

まず労災として認定されるためには、仕事と傷病に明らかな因果関係がなければなりません。例えば刃物で手を切った。長年の粉塵作業でじん肺になったなど。
腰を痛めた場合、その状況によって災害性腰痛(突発的な腰痛)と非災害性腰痛(普段から慢性的な腰痛がある)に区別され、それぞれ認定の要件が決められています。

が、ぎっくり腰が労災として認定されるのは難しいというのが本当のところです。その理由は、災害性であるか非災害性であるかの判断が難しいためです。

例えば腰を痛めた場合、無理な姿勢で重い物を持ったために痛めたとしても、その方が普段から腰痛持ちだったらどうでしょう。
(それを持たなくても、腰を痛めたのでは?)という疑問が残りますね。

逆に、被災者(腰を痛めた方)に既往症がなく、初めて腰を痛めた場合は、被災者が会社にその旨報告し、医師に意見書や診断書を依頼し、監督署へ請求することで労災であると認められることになります。

労災と認定されると、会社の労働保険料率は上がり、監督署から調査が入る可能性も出てきますから、会社は、グレーゾーンの労災については、あまり協力したがりません。
もっとも労災隠しは犯罪でペナルティが課せられますから、明らかな労災については、会社は協力します。

ぎっくり腰と同様、労災認定が難しいものに、脱臼があります。無理な姿勢を取ったために肩が脱臼したという場合、脱臼がいわゆる「くせ」になっていないかどうか、それがまず問題となります。「くせ」になっている場合は、そうでない方と比べて、簡単に脱臼してしまいますから、やはり労災認定は難しくなります。

いずれも、労災であるかないかの判断は難しいところです。
最終的な判断は所轄の監督署が行いますが、過去にぎっくり腰で会社を休んだ、普段から腰痛持ちであるという場合は、労災判定はほぼ無理になります。
その場合は健康保険で病院を受診することになります。